
毎年9月、秋の訪れとともにやってくるAppleの発表会。今年もきっと、世界中が新しいiPhoneの登場に熱狂することでしょう。進化したカメラ、より高速になったチップ、未来的な新機能の数々…。メディアは新しくなった機能や、変更点をこぞって報じ、私たちの「欲しい」という気持ちを刺激します。
しかし、ここで一度、冷静になって考えてみませんか? その「最新機能」、あなたは本当に使いますか?
その新機能、本当に必要ですか?

ここ数年でスマートフォンに追加された機能を思い出してみましょう。映画のような動画が撮れる「シネマティックモード」、3D空間を認識する「LiDARスキャナ」、驚くほど滑らかな表示を実現する「ProMotionディスプレイ」。どれも素晴らしい技術です。
ですが、よく考えてみてください。これらの機能を日常的に、それこそ「なくてはならない」レベルで活用している人は、一体どれくらいいるでしょうか。
多くの人にとって、スマートフォンの主な用途は、LINEやSNS、情報収集、たまに綺麗な写真を撮ること、そしてキャッシュレス決済くらいではないでしょうか。これらの基本的なことであれば、数年前に発売されたモデルでも、全く問題なく、むしろ十分すぎるほどの性能を持っています。
「リセールバリューが高い」という言葉の罠

最新モデルへの買い替えを正当化する、ある種の「神話」があります。それは、「iPhoneはリセールバリュー(再販価値)が高いから、古くなったら売ればいい。だから実質的にはお得なんだ」というものです。
確かに、iPhoneは他のスマートフォンに比べて高く売れる傾向にあります。しかし、これはあくまで「他のスマホに比べて」の話です。
例えば、20万円の最新iPhoneを購入し、1年後に12万円で売れたとする。確かに12万円は戻ってきますが、差額の8万円はどこかへ消えてしまいました。これは本当に「お得」なのでしょうか?
一方で、2年前のモデルを8万円で購入し、2年間使ったとします。売却価格はぐっと下がるかもしれませんが、そもそも購入費用が抑えられています。どちらが賢い選択かは、明らかで「買わない」という選択肢に勝る節約術は存在しません。
自分にとっての「ちょうどいい」を見つけよう
最新モデルを追いかけることに疲れてしまったなら、一度、ご自身のスマートフォンの使い方を見直してみませんか?スマホを買い換える際に意識することは、この3点です。
- 毎日使う機能は何ですか?
- 今のスマートフォンで不満に感じていることはありますか?
- その不満は、本当に最新モデルでなければ解決できないことですか?
「バッテリーの持ちが悪くなった」という不満であれば、バッテリー交換で数千円で解決するかもしれません。「動作が少し遅く感じる」という場合でも、不要なアプリやデータを整理するだけで改善することもあります。
まとめ
最新技術の進化にワクワクする気持ちは、とてもよく分かります。しかし、その熱狂に流されるまま高価な買い物をする前に、一度立ち止まってみること。そして、「自分にとって本当に必要なものは何か」を見極めること。
今年の秋、あなたが「買わない」という、最も賢明で、経済的な選択をできることを願っています。